管理人ちはやの気侭日記。
禁・海賊行為。
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「世の中の掃き溜め」
ぼろぼろの服を纏ったよれよれの男は、この街をそう評した。
お偉方の怠慢のお陰で実際、ろくでもない連中がその辺をうろうろしていたから、私は確かにその通りだと、男の台詞に肯いた。
高層ビルの影になっていて、日の差す世界とは縁遠くなっている暗い路地を抜けると、その路地と日光との絶縁体になっていたのはこんな街には不釣合いな大型企業の本社だった事が解った。
玄関階段は純白で、異国語の会社名がホログラムで立体的に浮かび上がっている。
どれもこれも暗い路地を抜けて来た私の目には眩し過ぎたので、道路の反対側に目を向ける事にした。
「ホラ。さっさと行くぞ」
私の後ろから路地を抜けて来た癖に、妙に自信有り気で、無駄に年上風吹かせた声が、横に並んで言った。
私が目を細めた高層ビルには目もくれず、さっさと歩き出す。
目的地も知らない癖に、私は何だか安心してその背を追っていた。
男が足を止めたのは、先程のビルよりは些か、いやかなり、くたびれてはいるけれどそれなりに綺麗に見えなくもない二階建ての建物だった。
躊躇う事無く、狭く暗い階段を登る男に続いて私も階段に足をかける。水撒きでもしたのか、少し濡れていた。
階段を登りきると、男と私が並んで立てるぎりぎりの広さの空間で、正面に綺麗な透明の自動ドア。左手にもとは青だったのであろう手動ドア。自動ドアの方は、まだその先にもうひとつ手動のドアがあって、どうやら其方が実際の玄関らしい。
男が足を向けたのは当然、左手の小汚い手動ドア。
私には綺麗な自動ドアの方よりも、何故か暖かく、其方に向かうのが当然の事のように感じていた。
「此処に来たからには本当にお前も だな」
その扉を開き、私を招き入れながら、彼が口にした言葉がどうしても思い出せない。
続くかもしれない。
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愛しくて愛しくて愛しくて
愛しくて
喰い殺してやりたい
骨の髄までしゃぶり尽くして、そうしたら
嬉しくて悲しくてきっと
某サイト様の絵を拝見して思い付いたブツ。
最早詩ですら無いような。